さな・わーるど

〜花の庵〜

優しさに包まれて


画像は「野に遊ぶ」のやまぼうしさんにお借りしています。





優しさに包まれて

     
〜りんどう〜




晩秋の風は
かぎりなく優しく吹き

こぼれてくる光は
辺りをやわらかく包む

まるで・・・・・
やがて生命を終えようとするものへの
愛おしさと慈しみをこめるかのように

梢を揺らして吹く風に誘われるまま
ひと時の残照に導かれるまま
私は一人草原を歩く

今年の野の最後を彩り
リンドウの薄青は・・・生きていた
優しさに包まれて生きていた



紡ぐ輪 | -

か・た・ら・い


photoは「野に遊ぶ」のやまぼうしさんからお借りしています。






  

  
      

それは・・・・・
秋の終わりの野で
少しづつ紡がれていた
小さな小さな物語

刻がつかの間・・・止まり
花たちは巡る年も又会えるようにと
誓い合っていた

高く澄んだ空も
風に揺れる草紅葉も

そろそろ冬の匂いを
運んでくるのだろう

ムラサキセンブリの優しさも
ヤマラッキョウの愛らしさも
ノコンギクの清楚さも・・・・
みんなみんな私の心に刻んだ

小さな物語のかたらいは
私の耳の奥底に
いつまでも残っている
紡ぐ輪 | -

生命のリレー

画像は「野の四季」のイナさんからおかりしております。








生命のリレー


ころころと
屈託のない笑い声がする


振り向けば子供のころの
私の娘たちがいた

あれから何年の月日が巡っても
鮮やかに蘇るかけがえのない日々

目を閉じれば無邪気な声
無心な顔で遊びに興じる姿が目に浮かぶ
まるで昨日のことのように・・・・

そして・・・・
その娘たちは今
私と同じ思いで我が子の姿を
追っているのか

繰り返し、繰り返し
生命のリレーを紡ぎながら





 
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五月の風    〜藤の花〜


画像は「野に遊ぶ
」のやまぼうしさんからお借りしています。

 




五月の風   〜藤の花〜


ふわっと吹いた
五月の風に
薄紫のカーテンがそそっと動いたら
懐かしい幻の日々が蘇った

時は巡り巡り
幾つもの季節を通り過ぎながら
私はいつも焦がれていた

澄み渡る空の色
あふれる光の乱舞
萌えいずる緑の芽吹き
生命、動き出す初夏の装い

そんなものに
私はいつも焦がれていた

薄紫のカーテンの向こうには
あの頃の私がいる

いつも夢見ていた
私がいる

  
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寄り添って

画像は「野に遊ぶ」のやまぼうしさんからお借りしています。








 寄り添って

広い世界の片隅で

そっと寄り添った二人がいる

風温み光りあふれ
長かった冬に別れを告げ

生き物たちが謳う春に
私たちは出会った


静かにそっと寄り添えば
揺れる思いも、儚い夢も
何もかも・・・・・

密やかな希望に変えて
生きていけると思った

そう!・・・・
あふれる思いを抱いて
生きていけると思った

      





 
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黄色の子袋    〜キイジョウロウホトトギス〜

phot:「風景と植物」の団塊世代さんからおかりしています。



黄色の小袋


  
〜キイジョウロウホトトギス〜

黄色の小袋に
今年の出来事を詰めよう
華やかな色だから楽しい出来事だけを・・・・・・・

たくさんの花が咲いたから
ほんのささやかな楽しみも詰めてみよう

そうしたらなんだかとても幸せな気分になった

秋の風が吹き始め
真夏の喧騒からようやく解き放たれたころ
キイジョウロウホトトギスは咲き始める

華やかに艶やかに
ひと時を彩って・・・・・・


紡ぐ輪 | -

秋思

画像は 野の四季のイナさんからお借りしています










秋   思


     
耳を澄ませば聞こえますか
消え入りそうに鳴く虫の音

目を閉じれば見えますか
ひえに止まったアカネトンボの物語

暑かった夏の余韻を残しながら
風のなすがままに
曼珠沙華の赤色が揺れる野原

何気ない風景の中に立ち
ゆったりとした時の流れの中で
心のさざなみを解きほぐす

誰も通らない野道を
一人辿れば・・・・・・・

幾つもの出会い、幾つもの別れ
過ぎ去った日々が
秋風に乗って目の前を通り過ぎる




紡ぐ輪 | -

待 春   〜エノコロソウ〜


画像は「四季の野草物語」のCーNAさんからお借りしています。


 





 

          
〜エノコロ草〜


こそっと
春の足音を忍ばせて淡雪が舞った
かしいだエノコロ草の上に
雪焼けのスイバの上に・・・・

空を歩く風はいまだ冷たく
頬も指先も、ちぎれそうだけれど

空にひびく雪の声には
まだ賑やかさが残るけれど

セピア色の草はらからは
なんとなく暖かな光が見える

厳しかった冬を乗り越えて
やがて下萌
(しもたえ)の季節が
ドラマチックにやってくるのを・・・・

私は待っている




 ポチッとよろしくm(__)m



 



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花の言霊    〜カタバミの花〜

 




花の言霊
    〜カタバミの花〜




特別の場所じゃない
なんでもない小川のほとりに
咲いていたカタバミの花

水の中から
ひっそりと静かに
再生を誓いながら・・・・・

そんな風に私には見えた

季節は巡っても
帰ってこない、かけがえのない想い
風が変わっても
戻すことの出来ない幾多の時間

それでも尚。
生命の不思議な力を信じます

傷ついた地に、命に
優しい風を送りましょう
春の息吹きを届けましょう



 ポチッとよろしくm(__)m



 



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伝えてよ野の風を   〜セキヤノアキチョウジ〜

画像は花旅の写真」のじょんさんからお借りしています。










伝えてよ野の風を

   〜セキヤノアキチョウジ〜〜



見上げれば・・・・
空には風が舞い
足元には小さな虫の音

いつの間にか・・・・
あたりには秋の気配が深まっていた

緑なす野にそっと咲いた
アキチョウジの花

繰り返されてきた野辺の営みの中
季節は巡り
つかの間を彩って楚々と咲いた
10月の花

伝えてよ野の風を
街で暮らすあなたのもとへ




 ポチッとよろしくm(__)m



 




 
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